その3:ちょっと待って!そのおもちゃが大切な赤ちゃんの想像力を奪う!
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ちょっと待って!そのおもちゃが大切な赤ちゃんの想像力を奪う!
「楽しむ子育て」3番目です。3章から6章では、ボクの専門分野である「おもちゃ」と「遊び」について触れてみます。
「楽しむ子育て」を実現する方法を指南するために、「おもちゃ」と「遊び」について知っていただきたいことがたくさんあるんです。0ヶ月から36ヶ月の赤ちゃんのおもちゃ専門店を運営するボクだからこそお伝えできるんです。子育てとおもちゃには密接な関係があります。
ここでは、「遊ばされないおもちゃの選び方」をお教えします。「なぜ、それが『楽しむ子育て』に結びつくか?」
なぜかというと、「親は子どもの成長に、もっとも子育ての喜びを見出すものだから」です。子育ては、キレイごとではありません。半端ではなく大変です。でも楽しいんです。それはなぜか?子どもは日に日に成長するからです。その成長を見る幸せは、何モノにも代えがたい喜びであり、楽しみです。
おもちゃに遊ばれる生活を送っていれば、確実に子どもの成長を制限する結果を生みます。断言してもいいです。特に想像力や問題解決力、自主性の発達をさまたげます。だから親は「遊ばされないおもちゃ」を子どもに与える必要があるんです。子どもの成長にウキウキ・ワクワクするために。
デパートの玩具売り場や、大型玩具店に行けば、それこそ数え切れないほどいろんなおもちゃが存在しています。対象年齢も様々、子どもが好きなキャラクターを前面に出したおもちゃ、「知育」をうたったおもちゃ、いろんな要素がてんこもりのおもちゃ・・・。
ホントいろいろありすぎるくらいですね。
最近では、「知育」をうたったおもちゃもたくさん出ています。中には本当にしっかりしたおもちゃもあります。でも、子どもの想像力を食いつぶし、考えることを停止させるおもちゃが多いのも事実です。1から10までお膳立てができていて、取り説をみれば、ご丁寧に遊び方まで細かく書いてある。つまり、「遊び方が決まってしまってる」わけです。
そこには、子どもが想像力を働かせて遊ぶ余地はないということです。頭の固くなってしまった我々大人にとっては、選びやすいおもちゃであるかもしれません。「遊び方が決まっている=容易に遊び方を想像できる」からです。でもそれは、メーカーの提案する遊び方以外の使い方のできないおもちゃです。
そういうおもちゃで、果たして想像力は養われるでしょうか?
また、3歳までの乳幼児について言えば、「キャラクター」が前面に出たおもちゃも、「想像力を育む遊び」ができないことが多いことをご存知でしょうか。
その理由は、一つには「キャラクターの影響力」が強すぎて、おもちゃ本来の目的である「遊ぶ」ということがおろそかになってしまう傾向があるからです。
たとえば、子どもの電車のおもちゃがあります。全く同じ作り、同じ機能で、ひとつは、ノンキャラクター、ひとつはキャラクターがあったとします。ノンキャラクターの列車で遊ぶ子は、列車を連結したり、レールを延ばしたり、坂道やトンネルを作ったりするでしょう。一方、キャラクターの列車で遊ぶ子は、そのキャラクターがあれば満足なので、列車単体で遊ぶ傾向が見られるでしょう。レールさえもいらないのです。なぜなら、そのキャラクターに脳が満足してしまうからです。
ボクは、キャラクターを否定しているわけではないんです。ボクの娘もキャラクターものは大好きです。でもおもちゃについては、キャラクターは一切排除しています。わが家にはキャラクターモノのおもちゃというのはほとんどありません。
逆に、「これで遊んで楽しいのだろうか?」と大人が首をかしげてしまうような、一見シンプルなおもちゃ。こうしたおもちゃこそが、想像力を育むおもちゃといえます。子どもの想像力で、いかようにも遊べるシンプルなおもちゃ。こうしたおもちゃを手にした子どもは、自らの想像力で、大人が考えつきもしない遊び方をしますし、発達段階に応じて、常に違う遊び方をします。
子どもの想像力を侮っちゃいけません。家のリビングだって、時には子どもにとっては、大草原であったり、大海原であったりするんです。そういう想像力を思いっきり発揮できるおもちゃを与えたいものです。
こうしたおもちゃで遊んでいると、子どものちょっとした成長を、つぶさに感じ取ることが出来ます。ふと気付くと、以前と同じおもちゃなのに、前は出来なかったより高度な遊び方を、子どもがしていたりするのを見て、成長の足跡を感じ取る喜びを与えてくれます。
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