白黒赤理論とは?

生後数ヶ月までの赤ちゃんは、われわれ大人が見ているようには、目は見えていません。それは、視覚がまだ未発達だからです。実は、赤ちゃんの視界に広がる世界は、ぼんやりしていて、殺風景な世界なのです。でも、そんな未発達な赤ちゃんの視覚でも、ある特定の配色や図柄、絵柄については、明確に認知することができるということが研究によってわかってきました。

研究によると、生後間もない赤ちゃんに特定の絵を見せる実験において、赤ちゃんがより長く注視する絵があることがわかりました。ほとんどの赤ちゃんが、白黒のモノトーンの絵柄を好み、中でも、人の顔の絵を、他の絵柄と比べて、より長く注視し、色でいうと、赤色を好む傾向もわかりました。

この研究から、白黒のようにコントラストの高い配色で描かれたもの、人の顔をモチーフにした絵柄、○や△や□などのシンプルな図形を組み合わせた絵柄や、幾何学模様に、赤ちゃんは、より強い視覚刺激を受け、より豊かに反応することがわかってきました。

その後の研究によって、そうした視覚刺激によって脳神経系の発達が促される、ということもわかってきました。イスラエルでは、未熟児病棟で、こうした絵柄を積極的に見せることで、未熟児の発達促進に一定の効果があると認められ、治療に取り入れられています。

こうした研究結果や学術知見をベースに、独自に、赤ちゃんがより好むパターンを見出し、「白黒に赤を足した3色、シンプルな顔の絵柄、幾何学模様」が、赤ちゃんの視覚を刺激し、豊かに反応することを結論付けました。これを「白黒赤理論」と呼んでいます。
この「白黒赤理論」は、絵本にもなっており、ロングセラーとなっています。

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