鏡の開発が、早速急ピッチではじまりました。仕様は、イメージできています。
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割れないやわらか素材の、安全なソフトミラーであること |
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赤ちゃんとお母さんが、一緒に映る大きさがあること |
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赤ちゃんの興味を引く白黒赤であること |
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鏡遊びは、とても大事なアクティビティですが、鏡と言うのは割れやすく、そして、割れた鏡は、鋭利な刃物と化して、とても危険です。特にお座り以降の赤ちゃんは、鏡を手に持って、時には「落としたり」「投げたり」しますので、割れる危険性が高いのです。だからと言って、「落とす」ことや「投げる」ことは、大事なアクティビティですので、制限するのではなく、逆に思う存分やらせてあげたいのです。それをかなえるために、落としても、投げても割れないで、安全に鏡遊びができるソフトミラーというのが、第一条件でした。
第二に、赤ちゃんとお母さんが一緒に映せる大きさが必要でした。鏡の世界で、自分がいつも見ているお母さんが映し出され、その横に自分がいるのを見て、徐々に赤ちゃんは、「自分」というものを認識するようになります。鏡は、最低限、この「二人の世界観」を映し出せる大きさが必要なのです。
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最後に、赤ちゃんが興味を示し、手にとってみたくなるような、好奇心をそそるものであることです。そのためには、形状や音、色やデザインなどの工夫が考えられますが、私は、「視覚刺激」を選び、デザインを白黒赤理論のデザインにしました。その理由は、音のしかけは、鳴らしてあげないと興味をひきませんし、形状を凝ってしまうと赤ちゃんが持ちにくくなってしまいます。「赤ちゃんの興味を引き、手にとってもらう」事を目的とするなら、「視覚刺激」が最適だと考えました。 |
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この三つの条件を基本に、仕様をまとめて、さらに、ミラーの面の裏側を、白黒赤グラフィックにすることで、お出かけの際に、車の中や、外出先でも遊ばせられるようにしました。
そして、何度もデザインを検討して、最終決定の段階に至りましたが、ひとつ検討材料が残りました。
ソフトミラーは、その素材の特徴から、傷がつきやすく、パッケージ段階では、保護フィルムが張られています。お客さんは、手にしたときに、これを剥がさなければなりません。これを剥がすのが、少しコツがいるのです。
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商品にするなら、誰でも簡単にフィルムを剥がせるようにしなければいけません。そこで、いろいろ試した結果、ひとつひとつのミラーのフィルムのふちに、薄く切れ目を入れておくという方法が、もっとも簡単に、きれいに、剥がせることがわかりました。これは、一点一点の作業となるため、工場側には嫌がられましたが、何とかそのような仕様でまとまりました。
これで思い残すことはありません。
「すべてGO!」です。 |
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